旅人diary

旅で起きたこと感じたこと

初めての海外でキューバにひとりで行ってきた。17. ビアスールバスでトリニダードへ

 

 割高のタクシーに乗ってビアスールバス乗り場へ向かった。乗り場へ着くと乗合タクシーのキャッチがたくさんいた。バスに乗れなかった人は乗合タクシー(コレクティボタクシー)で行く人が多い。

 

 予約は一切していなかったが、なんとかバスに乗ることができた。席は満席で誰かの隣に座るしかない。そのとき僕はこのキューバの地で、ガイドの近藤さん以外ではじめて東洋人を見つけた。

 

 僕はその東洋人の隣の席に吸いよせられ、okay? と声をかけ座った。彼は歳は30歳くらいで、本を読んでいた。

 

 僕は日本人かどうか本当に知りたかったので、彼の本を凝視した。頼む日本語であってくれ。願うように見た。

 

 日本語だ!

 

 日本語だと分かったときの僕はまさに水を得た魚だった。日本じゃめったに自分から声なんてかけないのに、何の躊躇もなく、声をかけた。

 

 日本人ですか?これが第一声だったと思う。それから数時間このキューバの地のトリニダード行きのバス内には、二人の日本人の会話だけが響きわたっていた。

 

 僕は嬉しくてたくさん話した。彼の名はオオタニさん。某有名家具屋さんで働いていて、毎年2回、長期休みに海外に一人で行くそうだ。

1つの国に2回訪れることはあまりないらしいのだが、キューバ2回目だった。

そんな海外に慣れているオオタニさんですら、最初にキューバを選ぶのは大変だと言っていた。

 僕はだんだんここに来た自分を感心しはじめた。僕が僕ではないような謎の感情だ。ただただ生きていることをすごく感じた。きっと全く異なる環境に立ったとき、何も変わってないところを強く感じるのだと思う。

 彼は葉巻、ヘミングウェイビートルズが好きだった。

 

 途中休憩地点でオオタニさんはキューバサンドをおごってくれた。

 

 2、3時間でトリニダードに着いたと思う。しゃべり倒した僕はあっという間に感じた。